水墨画(タコによる) 8月9日
今日の放課後
ほんのあそびのつもりがレフ板まで使用してベストショット。アー写にします。
小国でいちばんの洋服店、なかにしで買ったタイツです。
一昨日まで、わたしは企画書を実行日の前日に提出することにこだわっていました。可能な限りギリギリまで待って、ようやく起死回生の一打が生まれると信じていたからです。
でも、一昨日の絶筆展は、もう少しましな絵画を描けていたら、まだ説得力が増していたように思います。脳内で思い描いていたのは、神田日勝の絶筆「馬」でした。
時間があったからといってどうにかできた問題ではないかもしれませんが、以前からあったアイディアと突然押し込んだアイディアとが乖離していて、散らかった空間になってしまいました。
考える時間も、手を動かす時間も、足りませんでした。
以上の反省を踏まえて、頭の中にぼんやりあるアイディアはじゃんじゃん企画書にまとめ、さっさと道場主の赤ペンをもらい、あらかじめ準備に時間がかかりそうなものは日程を散らし、これからは体勢を整えて御披露目しようと思いました。
これでもう「時間がなくて」という言い訳は使えません。
退路を断って、新たな気持ちで道場の門を叩きました。
心機一転の制作道場第二章、幕開けはタコによる水墨画です。
「赤くて透けてて伸びる布」を求めて、ないよなと期待せずホームセンターへ。
あっさり見つかった、農作業コーナーの袋。
50袋をひとつひとつほどいて、スタッフの梅木さん(服飾学科卒)にミシンをかけていただきました。
1日では仕上がらない量です。工房と化す事務所。
縫製のプロの手によるタコ生地が完成しました。
春、520kmのマラソン大会の最中に両足を傷めて以来完治せず、わたしのタコあこがれは日増しに強くなりました。自分がタコだったら、脚2本死んだくらいなんてことないのにと思って泣きました。脚のスペアが豊富なタコとイカのことが頭から離れず、この作品ができました。
わたしは自分以外の誰かに対するあこがれが強くて、後頭部に描いてもらう顔もお客さんの自画像を指定することが多いのですが、それは「あなたになりたい」という薄気味悪い同化願望を手放せないからです。
望み通りタコになったわたしですが、タコ墨で描くのはイカです。
天井の低いタコは住みづらくて、早速イカにあこがれました。
天高く筆をかかげて伸びあがり、自由を奪う赤いタコ生地に抵抗したところ、墨汁入りのバケツが倒れて大水害。
お休みだったスタッフさんまで総動員でタコ騒動。
なすすべもなく立ち尽くそうと思いましたが、タコの中にいては立てないので腹這いになって身を潜めました。
タコが墨を噴くように霧吹きでスプレーしてみると、ヤンキーっぽいやさぐれイカになったので新しいふすまに描き直し。
4歳の子が、「タコさん、タコさん」となついてくれて、「タコさん愛してる!」とあどけない声。
わたしも愛してます!
タコの中心で愛を叫びました。
日本海を目指して走るイカを描きました。
仮装案なのですが、こんなふうに巨大イカを模した袋の中に男性ランナー5人の上半身を詰めて、マラソン大会に出たらどうかと思います。イカの10足走行。写真作品にしたいのですが、モデルになってくださるランナーの方、いらっしゃいませんか……。
朝の山下さん
入水しようとしたところに教育局から電話が鳴って…。
今いきます!!
ふたたび
タコ下さん
塩田千春みたいだねー!
明日はイカだよ! あそびにきてね