ブリッジ拓 8月13日
ほとけ からの
ほとの毛
自分を版にして、人拓をとりました。
墨を前半身にのばしてクラフト紙にダイブ。起き上がると体にたたみの目がくっきり残っていました。
自分の型を摺った紙にブリッジさせ、その隣に版であるわたしも仲よく並びます。
2体の橋が川にかかりました。
ふすま絵からのびる川
外までつづきます
紙のほうはおなか側をちゃんと天に向けていますが、わたしのアーチは前かがみ。体がかたくてブリッジが出来ないんです…。後頭部に顔があるのをいいことに、ただの前屈をしました。
後ろ前です
写真だとほんもののブリッジのよう
夏休み中の子どもたちを呼び出し、居合わせたお盆休み中のお客さまにもお願いし、たくさん橋をかけました。
練習風景。みんな当然のようにできるのですね
全員外に出てスタンバイ
見事なかけ橋です
呼吸を合わせ、せーの!でブリッジ。照りつける強い日光の下、「まぶしい!」「きつい!」悲鳴がこだましました。
逆ブリッジのわたしだけ、地面を見つめていて……。みんなの苦痛に寄り添えませんでした。
現世は暑くて、賑やかです。あちらから、どなたか渡ってこられるでしょうか。
幸せそうなカップルは企画書も書いてくださる傾向が
夏休み組
逆ブリッジ
宿題の息抜きになっていますように
ブリッジしたままトコトコ歩ける、6才のそらちゃん。
写真中央がそらちゃんです
川に手足をとられながらも器用にくぐりました
後頭部の顔だけではブリッジだとお客さんになかなかわかってもらえず、いちいち「ブリッジしてまーす」と宣言したり、背中に胸の膨らみを偽装したりとあれこれ工夫していたのですが、ブリッジの体勢でやすやすとわたしの腹をくぐり抜けた生き物に、自分は橋ではなくトンネルだったのだと思い知らされました。
体の外側は明るく内側が暗いのも、ますますトンネルらしく思えます。
偽ブリッジをしている間、目にうつるのは自分の足を覆う墨の濃淡でした。それが、そらちゃんが通った瞬間パッと華やいで目がくらみました。そらちゃんの洋服だって同じ黒色なのに……。オーラの違いでしょうか? そらちゃんすごーいと歓声をあげながら、トンネルの闇を照らしたそらちゃんのしなやかな身体能力を憎いと思いました。
わたくし腹が黒いもので。
そらちゃんのご姉兄。そろって運動神経抜群です
隣の神社からおさえたショット。風でよじれた川。
この川は、先週海だったブルーシートと、イカだった防虫ネットでつくりました。
つい3日前、一心同体だったイカにハサミをいれるのは胸が痛みました。メタメタに裂いてイカそうめんにしてしまいました。成仏してください。
夕方、雷が轟いて豪雨に。イカの怒りか。体についた墨を洗い流すいい機会だと庭へ出ました。雨に打たれて懺悔の気持ちが高まったので、禊ぎも済んだと思います。しかし墨はしつこくなかなか落ちず、もしかしてイカ墨なのかと思うと怖かったです。
今日のタイトルは、「川にかける橋」とか「背と腹のかけ橋」とか色々悩んで、結局「ブリッジ拓」にしました。
「~拓」って版画に馴染みのない人にもわかるかな?と気になりましたが、「魚拓って言うし大丈夫!」と、お墨つきをいただきました、墨だけに。
黒板にタイトルを書くときに漢字がわからず、「木村拓也の拓だよ」と教わりました。
キム拓
わたしが事務所でキムタクの画像検索をしてこの馬鹿げた拓版に没頭している間、スタッフの皆さんは道場で明日の設営をしてくださっていました。
申し訳ありません。心を入れ替えます。