お盆の盆踊り
お盆はお盆で盆踊り
山下さんがご家庭で使ってらっしゃるお盆を彫らせていただきました。
右下の版は「お盆休み」
踊っている人を大量に摺りました。
ビーチパラソル(498円)から竹ひごをのばしてつくった立派なモビールです。
お客さんにもご協力いただいて、盆踊りの版画をどんどん吊るしていきました。
途中までは、軽やかで儚げで、色とりどりの帯も幻想的に見えました。
ちょうちんの版画もつないで盆踊りの輪の中に加えたのですが、ゆらゆらひしめく盆踊りの集団をかきわけ苛立ちながら作業したせいか、人ごみに「デンジャー」の工事中テープが張られたようになりました。結界だとしてもそれはそれでまた雑な張り方で…。
はりきって摺った浴衣の人々も、吊るす数が多すぎたのかひとところにかたまったりして暑苦しく、これだから女ってやつは、という感じです。
しばらく緩やかにまわっていた浴衣姿が、ふいに庭から吹きつけた強風に突然踊り狂ったかと思うと、バランスを崩して転覆する輪が続出。骨格になるパラソル自体も大きくかしいで不安を煽っていました。
どうしよう、作業すればするほど悪くなる…。
帰り際、改めてみんなで見てみて、「なんかもっさいね」と言い合いました。正直、いけてないとかそんな穏当な表現では済まされない出来でした。情緒不安定とか精神衰弱とか、メンタルを病んだ人たちのリハビリを思わせる盆踊りになりました。踊るほど病状が進行しそうです。竹ひごにしがみついた人々は、薄暗い館内で不気味に息をひそめているようで、トレーシングペーパーの軽さが信じられないほど重たい空気が漂っていました。光のもとでは効果的だった透け感もまた不気味でした。
明日の企画も迷走しているのであそんでいる場合ではなかったのですが、山下さんと小国町のお盆祭りに寄り道してきました。広場に充満する陽気な賑わいに、少し気分転換できました。明日に活かしたいです。