小国中ワークショップ3 8月8日
一昨日のワークショップの超反省日記を読んだ山下さんが
「くるみちゃーん、コメント書いたよー。わたしもすごく反省したのー」
と言ってからすかさず
「いい人っぽいでしょ?」
とにこにこ重ねてきて、しっぽを踏まれた気がしました。
ぎゃふん。
ばれました? わたしは、いい人だと思われたくて書きました。
そして、「フォロワー増えてるよ」と言ったそのイントネーションが、フォ(↑)ロワー(↓)で、あ……、おばちゃん…、でした。
わかりますか? 音階で表すと「ファミレ」です。「レミミ」でしょ? AKBあたりに「れみみ」って呼称のアイドルがいそうですが、その場合のイントネーションは「ファミミ」なんだろうなと思います。れみみなのにファミミ。
制作道場で小国に来てから文字通り七転八倒の毎日が続いていましたが、先ほど初めて美術館のみなさんと夜遊び(ごはん)に行ってきました。
今日は前回のワークショップの徒労感を吹き飛ばす痛快な回だったし、昨日の問題作を問題作のまま世に出したことも含めて、今がターニングポイントのような気がしました。
ワークショップがうまくいきすぎて反省できず、どう切り出すべきか逡巡しています。
今日は後頭部の顔づくりから好き放題されて、もうそろそろいいんじゃない?と山下さんの制止が入るまで描きこまれました。
ここまで滅茶苦茶にされることはなかなかありません。後頭部冥利に尽きました。
どうしたらいいか悩みに悩んだ背中伝達リレー(仮)は、山下さんと相談の上、「数字」→「文字」→「絵」と、徐々に難易度をあげていくことにしました。
まず、ペアをつくって「数字」書き。
正しく伝わらなかった数字でも、「3→8」は丸みが似ているし、「4→7」は直線的。どちらも共感できる間違いです。
次は人数を増やして「文字」に挑戦です。
3人チームは「む→む→?」
4人チームは「お→お→お→な」
左下用紙、薄いピンク色で左上にちいさく「な」
先頭の出題者が、どちらも「い」とか「し」とかを選ばなかったところに気骨を感じました。
最後にかたちにならなかった「む」がスリリング!
象形文字誕生の瞬間に立ちあっているようで、この一枚から「む」の産声がきこえてきそうな、そんなドラマを感じました。
わたしはずっと、「言葉」に直結する「文字」への採用にどうもためらいがあったのですが、今となってはそれも先入観だったなと思います。ひらかな単体は、抽象画になり得る好材料だと思いました。
最後は「絵」。全員で連なってリレーします。
テーマは「野菜」にしました。
前回「絵を描くのは難しかった、数字は楽しかった」という感想が多かったので、祈るような気持ちで先頭画家の出題作を見守りました。
描いてくれたのは「イチゴ」。
第2画家になかなかかたちが伝わらなくって……。
もう一度なぞるで〜
今か今かと背中の感覚をとぎすます
きた
わかんね
イチゴの旅
最終回答者の背中にかかる重圧
描き終えたみんなの注目が集まる
バラバラになったイチゴは息を吹き返してまた弊れ、よろめきながら、こげんかたちになったとよ!
ハラハラした!ハラハラしながら最高にエキサイティングでした。
変な野菜が出来ていい!新種の野菜をつくればいい!
無我夢中で生徒たちに呼びかけながらたどり着いたのは、本当に誰もまだ見ぬあたらしい野菜でした。でも、なんかどっかの国にはありそうな感じが愉快です。名前は「スヘチリコ」、ウリ科の野菜で、栄養はあまりない。
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こうして改めて順番に見ていくと、序盤で意味不明になった像がよくぞ回復したなあと感心するのですが、曲線、ギザギザ、てんてん……、感じた動きを忠実になぞっていれば、たとえ紙の上では「絵」の体裁をとっていなくても、その向こうの背中がちゃんと軌道を読んでいて、それで途中「イチゴ」が思い出したようにふらっと顔を出したのかな、と思います。
色とりどりのクレヨンをつたって、確かにみんな、つながっていたんだな。
あかるい太陽のもと、すこやかに咲いた笑顔の数々を見返しながら、尊いようなよろこびをかみしめています。
ひらかなの「む」や「お」に続いて、「イチゴ」のお題もまたファインプレーでした。でも、イチゴって野菜なんだ…。